人生ベストテン 著者名:角田光代(著)
出版社:講談社
出版年:2008.03
ISBN :9784062759946
本当に久しぶりの更新。
どれだけ小説から離れていたのかがわかる。
なんだか読む本読む本が,つまらなく感じていたので,
一気に離れてしまった。小難しいのは眠くなってしまうし。
不甲斐ない自分であります。
偶然に手にした本。あんまり読みたいと思わない直木賞作家。
友人が薦めていたのもくれていたののもあって,ふと手に取った。
少々バカにしながら読み始めた本書。
あれ,あれれれれ。面白いし。。。
とういうことで,引きずり込まれてしまったのでした。
角田光代『人生ベストテン』(講談社文庫)。
もう少しで十年目を迎えそうな一人暮らしに飽きてきたこの頃。
東京,というとてつもなく巨大なエネルギーに飲み込まれて,
こんな僕もときどき生き苦しくなったりする。
ベタですが。
勝手な偏見だし,僕自身が偉いわけでもなんでもないけれど,
個人的な考えとしては,
東京で一人暮らししている人間には「なんか」ある。
東京育ちで,隣町に実家がある,とか…
会社が借り上げをしてくれていて家賃はほとんどない,とか…
ではダメなのだ。
地方の人間で自分のなけなしのお金で,
自活(すごい言葉だ。)していなくてはその「なにか」には達せない。
こんな自負というか,思い込みの中で生活している僕。
そういう都会の不思議な感覚を明瞭に現してくれている気がしたのだ。
以前,取り上げた黒井千次の小説はその点的外れというか,
あまりに形而上学的すぎた。
角田の場合は違う。
卑近で,臭気に満ちた肌感覚なのだ。
解説者のイッセー尾形が取り上げた台詞。
《ひとりの部屋でCDかけるでしょ,そうすると終わったときに,しん,となるでしょ。私はあの感じが大嫌いなのね》(「飛行機と水族館」より)
こういう感覚。
話の展開とか結論とかではなくて,
話の中の人間があまりに現代的である。あまりに。
結論はとてもシンプル。
おもしろかった〜。またほかの作品読んでみよう。
